心の病も頭痛も「正しい食生活」でよくなる!
どうもどうもこんにちは。
今日の本は
『完全版「いつものパン」があなたを殺す』
デイビット・パールマター
クリスティン・ロバーグ 著
白澤 卓二 訳
です!
どんな本か?
著者のデイビット・パールマターさんは神経科医で、クリスティン・ロバーグさんは医療分野を得意とするライターです。
そんな彼らが、「現代の食生活」を続けると体にどんな悪影響があるかを書いている本です。
本書のタイトルにある「パン」が、脳にダメージを与えアルツハイマーのリスクを上げることにより、私たちの生活を殺していくと言っています。
また「糖」も体によくないと警鐘を鳴らしています。
本書を読めば、現代の食生活のデメリットを知ることができ、それを続けることに恐怖を覚えることになるでしょう。
逆に、食べていい物、必要な栄養素も紹介しているので、正しい食生活を送る手助けをしてくれる本でもあります。
どんな人におすすめか?
この本は
1.なぜパンが人を殺すのかを知りたい人 2.糖がどのように体に影響を与えるか知りたい人 3.食べていい物、いい食生活を知りたい人 |
におすすめです!
1.なぜパンが人を殺すのかを知りたい人
大体の人が食べているであろうパンが、体に悪い物だと言われると、ちょっと驚きます。
では、パンの何が悪いのかと言いますと、それはグルテンです。
ちょっと前にグルテンフリーという言葉が流行りましたが、それはグルテンが含まれていない食べ物だよということです。
著者はグルテンを「寡黙な病原菌」だと言っています。知らず知らずのうちに我々の体を蝕み、ダメージを与えている可能性があるものだと。
グルテンとは、タンパク質の一種で小麦粉の中に多く含まれています。
粘り気があり、パンやピザの生地をまとめたり、伸ばしたりできるのは、グルテンのおかげです。
そのグルテンの粘り気が問題なのです。
グルテンを完全に消化できなかった場合、消化管内に「のり」のようなものが残り、体内の免疫系がその「のり」を除去するために色々な反応を起こし、結果として消化管に炎症ができます。
炎症は短期間で治れば問題はないのですが、毎日グルテンを摂ることで慢性化していくと大きな問題になってきます。
慢性的な炎症は、消化管の壁を薄くしていき最終的に穴を開けてしまい、血流に乗って炎症作用を全身に送ってしまうのです。
全身に異常が起こりますが、中でも深刻なダメージを負うのが脳です。
脳に炎症が起こることで、神経に異常が起こり、さまざまな神経的症状を引き起こします。
どのような症状が起こるか、本書にあるリストの一部を書きますと、
- ADHD(注意欠如・多動性障害)
- 不安と慢性的ストレス
- 慢性的な疲労や頭痛
- うつ病
- 糖尿病
- 不眠症
- 神経障害(認知症、アルツハイマー病、統合失調症など)
などがあります。本当はもっと多くの症状が書かれているのですが、詳しくは本書を読んでいただければと思います。
パンを食べることによって、このような症状を起こし我々の体を衰弱させ、私たちを殺していくのです。
これだけ悪影響があるグルテンは怖いものですが、逆に現在日常的にグルテンを摂っている人でこれらの症状がある人は、食生活を見直してみれば、もしかしたら症状がよくなる可能性もあります。
著者は過去にどんな食生活を送っていたとしても、今から見直せば手遅れにはならないと言います。
長年パンやケーキを食べてきたせいで自分の脳の運命は定まってしまったのだろうか。
あわててはいけない。私が何よりもやりたいことは、将来の脳をコントロールできるすべを与え、あなたを力づけることだ。要は、今日から何をするかが大切なのである。
2.糖がどのように体に影響を与えるか知りたい人
本書では炭水化物や砂糖の中にある「糖質」も体に悪いと書いてあります。
そもそも炭水化物は糖分子の長い鎖にすぎず、多く摂り過ぎるとグルテンと同じぐらいの悪影響があると。
糖質が引き起こす症状の中で、一番注意が必要なのは糖尿病です。
よく耳にする病名ですが、一応軽く説明しますと、
糖尿病とは血液中の糖(血糖)が増えてしまい、そのままでいると血管を傷つけ、心臓病や失明の原因になってしまう病気です。
著者は絶対に糖尿病になってはいけないと言っています。もしなっているとしたら、血糖のバランスをしっかり考えなくてはいけないと。
糖尿病の症状の中でも著者がとりあげているのが、認知機能の低下、つまりアルツハイマー病の原因になるというものです。
糖尿病は脳に影響を与えるのです。
65歳以前に糖尿病を発症していると、軽度認知機能障害のリスクが220%になると言います。
なぜなら高血糖状態が続いていると、体が糖化することによって老化するからです。
糖化というのは、糖分子がタンパク質や脂肪と結合することを言います。
糖化したタンパク質は、繊維が固くなり変形してしまい、正しい働きをしなくなってしまいます。
それによって体は老化し、シワやたるみも増え、脳の認知機能を低下させていくのです。
糖化すること自体は、生物の体に自然に起きていく反応ですが、高血糖状態の人はより早く糖化していくことになります。
また、糖尿病じゃない人も、糖質を体に入れると血糖値は上がり、糖化が進むので、誰もが糖質のバランスを考える必要があるのです。
糖質(炭水化物)をどの程度の量摂ればいいのかについて、著者はこう言っています。
人間が食事として必要な炭水化物は、ほぼゼロだ。つまり、私たちは最低限の量の炭水化物で生きられる。そしてその炭水化物は必要に応じて肝臓が供給できるのだ。
私はこれには驚きました。砂糖や米はほとんど必要ない物だというのです。
現代の食生活で、炭水化物を摂らない人はいないのではないでしょうか?
それがまさか、必要のない物だったとは、常識をひっくり返された気分です。
3.食べていい物、いい食生活を知りたい人
炭水化物がダメなら、何を食べればいいんだ?
と思う人も多いでしょう。
本書には食べてはいけない物だけでなく、食べていい物や、理想的な一週間のメニューも書かれています。
まず冒頭に脳にいい食べ物と悪い食べ物の表がでかでかと載っています。
一部だけ書くと、
脳に悪い物 パン/ケーキ/ポテトチップス/清涼飲料水/キャノーラ油、サラダ油、ベニバナ油などの油/マーガリン/砂糖 など |
脳にいい物 魚介類/卵/肉/オリーブオイル、ココナッツオイル/野菜/発酵させた大豆食品/少量の米 など |
食べてはいけない物は、これまで紹介した小麦粉、炭水化物と砂糖に加え、悪質な脂肪を含む油です。
そして食べていい物は、たんぱく質と良質な脂肪の油など。
米は少量ならセーフなのが助かりますね。
特に良質な脂肪に関しては、ほとんど炭水化物に置き換えて摂取するといいと本書は言っています。
もともと人類の祖先の食生活は下の図の左側のグラフのように、75%を脂肪でまかなっていたのです。
現代の炭水化物を多く摂る食生活になったのは、人類の歴史から見ると、最近のことだと言います。
そして、この高炭水化物で低脂肪の食生活に体がまだ順応していないため、さまざまな不調が起きるのです。
そのため、本書では高脂肪で低炭水化物の食生活がいいと書かれています。
そう言われると、脂肪を多く摂ると太るから不健康なんじゃないか?と思う人もいるでしょう。
著者は、
残念ながら、現在は脂肪を摂取することは太ることに等しいと考える人が多い。だが実のところ、肥満とその代謝結果は食事による脂肪摂取とはほとんど無関係で、炭水化物依存と大いに関係している。
脂肪を摂ることは、太る原因にはならない、むしろ炭水化物のほうが太りやすいと言っています。
良質な脂肪は健康のために多く摂りましょう。
このほかにも、一週間でどんなものを食べればいいかのメニューも本書には書かれているので、実際に食生活を変えたい人にはおすすめです。
詳しくは本書で確認していただければと思います。
閃きを得る
いい本でした。
いつも食べているパンがここまで体に悪い物だと知らされて、非常に怖くなりました。
また炭水化物をほとんど摂らなくていいのは、衝撃でした。
そういう意味で感情が大きく揺さぶられる本だと思います。
私も少しづつ食生活を見直していこうと思いました。
小麦粉も砂糖も、完全にゼロにすることはできませんが、意識をすることで量を減らし、健康になっていくと信じています。
さて、本書はタイトルが非常に印象が強いので、もうそのまんまのイメージで行こうと思います。
パンが我々人間を襲ってくる!
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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