モンク思考を学べば、心穏やかに生きることができる!
どうもどうもこんにちは!
今日の本は
『THINK LIKE A MONK モンク思考 自分に集中する技術』
ジェイ・シェティ 著
浦谷計子 訳
です!
どんな本か?
著者のジェイ・シェティさんは、元僧侶で今は講演家やオンラインスクールを経営をしています。
イギリス国籍で、大学を卒業後、インドに渡りヒンドゥー教の修行場、アシュラムに入り3年間修業してきた人です。
本書のタイトルの「THINK LIKE A MONK」とは「モンク思考」と訳されていますが、モンク思考とは”僧侶の思考”のこと。
僧侶がどう考えどう生きるのかを紹介し、一般の人でもその精神を実践すれば、心穏やかに幸せに生きることができる。
ということを、著者がアシュラムにいた頃の経験とともに書かれています。修行場での生活や先輩僧侶の教えなど、一般市民が知らない世界の話を知ることができるので、新鮮な気持ちで読むことができます。
構成は大きく3つのパート
「手放す」「成長する」「与える」
に分かれていて、それぞれのパートに適した瞑想のやり方を紹介しています。
私も本書を読んで、僧侶の思考を実践したいと思うのですが、さすがに全部は無理。なのでとりあえず、紹介されている3つの瞑想だけでもやっていこうと思ってます。
どんな人におすすめか?
本書は
1.人生に必要な精神を知りたい人 2.瞑想について知りたい人 3.本当の自分を見つけたい人 |
におすすめです!
1.人生に必要な精神を知りたい人
人生に必要な精神とは、もちろん僧侶の思考のこと。
「え、でも僧侶にはなりたくないんですけど」
と思う人もいるでしょう。
実際に僧侶になることはしなくていいんです。修行とか精進料理といった、僧侶のような生活もしなくていい。
ただ、心の在り方、精神性を部分的にでも自分に取り入れれば、人生にいい効果をもたらすよ、ということです。
なぜなら、この3000年の間に人間は基本的に変わってないから。人間が生きる上で考えることは、今も昔もほとんど変わらないのです。
ヒンドゥー教は『ヴェーダ』という聖典の教えにしたがっていますが、その『ヴェーダ』が生まれたのが約3000年前。『ヴェーダ』に書かれている内容が、「生きがい」「寛容さ」など現代の人間にも通ずるものだと著者は言っています。
僧侶の思考について本書では
モンキー・マインドとモンク・マインド
という考え方が書かれています。
モンキー・マインドとは、自己中心的で怒りや悩みが多く、表面的な問題に右往左往して、物事をまったく解決できない思考のこと。
欲望や本能にとらわれ、衝動的に行動するサルのような心ということです。
モンク・マインドとは、自分も他者も大切にし、怒りや悩みを分析し、物事の本質を見て解決しようとする思考のこと。
モンク・マインドについて著者は
「モンク・マインド」は、僕らに、今とは違う人生観、違う生き方を見せてくれる。その新しい生き方では、反骨心、無執着、再発見、目的、集中力、自制心、奉仕が鍵を握る。モンク・マインドがめざすのは、エゴ、嫉妬、欲望、不安、怒り、不満、悩みから自由になることだ。僕に言わせれば、モンク・マインドは入手可能なだけではない、必要不可欠なものだ。
と言っています。
モンク・マインドを身に着ければ、ネガティブな感情から解放され、人生の意味や目的が手に入るのです。
たしかにこれだけの効果があるのであれば、モンク・マインドは人生に必要不可欠なものですね。
いかにモンキー・マインドを大人しくさせ、モンク・マインドを高めていけるか。
これが本書のテーマなのです。
そしてモンク・マインドを高めるためには3つのステージがあり、それが上で紹介した3つのパートです。
最初のパート「手放す」では、モンク・マインドを身に着ける上で、土台となる自分の心の整え方を中心に話を進めています。お金や人に対しての価値観や、ネガティブな感情を洗い出し、正しい方向へ導くやり方が丁寧に書かれてます。このパートだけでも、本書を読む価値はあると思います。
心を整えることができたら、次のパート「成長する」に入ります。このパートでは主に、自分が生きる目的や、人生を前に進んでいく上で、どういう心構えでいたらいいのかを教えてくれます。
このパートのキーワードが「ダルマ」という言葉。ヒンドゥー教で使われるサンスクリット語ですが、複雑な意味を持つようで、一言で説明するのが難しい言葉だそうです。日本語でいうと「天職」のようなものだとか。
自分のダルマを生きることができれば、人生は充実する。と著者は言います。
本書では、そのダルマの見つけ方も書かれています。みなさんも自分のダルマを見つけてみてはいかがでしょう?
自分の道を進められるようになったら、最後のパート「与える」に入ります。このパートでは他者に対して思いやりを持って生きろと繰り返し言っています。他者に感謝し、奉仕せよと。
これが僧侶の基本にして究極の考え方。
無私の献身(サンスクリット語の「セーヴァ」)です。
ここまで来ることができればモンク・マインドは完成でしょう。
また、他者に与える、奉仕することは、他者だけでなく自分も幸せにします。他者に奉仕すると幸福度が上がるという研究論文もあるぐらいです。
奉仕について著者は
奉仕を中心に生きれば、愚痴をこぼしたり、誰かを批判したりする暇はなくなる。
奉仕を中心に生きれば、恐怖の入り込む余地はなくなる。
奉仕を中心に生きれば、感謝の念が強くなり、物への執着は薄れる。
奉仕は意味ある人生に直結する道に他ならない。
と言っています。
自分の心を整え、自分の人生を生き、他者に奉仕する。
これこそが僧侶の思考なんですね。
2.瞑想について知りたい人
「瞑想をするといい効果がある」と耳にすることが多くなりました。書店のビジネス書コーナーに行くと、瞑想に関する本が多く並んでいますし、瞑想についてテレビで紹介されたりしています。
「瞑想すると、どんな効果があるの?」
と思う人もいるでしょう。
本書の冒頭で、瞑想の効果を調べる実験を紹介しています。
僧侶に脳波計を装着して瞑想をしてもらい、脳波を計測する実験なのですが、僧侶が瞑想をした瞬間に、脳波のガンマ波数値が高かったそうです。
ガンマ波は集中、記憶、学習、幸福感に関連し、脳の認知機能に最適の脳波です。
つまり瞑想をすると、集中力が上がり、幸福を感じやすくなるのです。
瞑想の効果についてわかったところで、次の疑問が浮かびます。
「瞑想ってどうやるの?」
本書では3種類の瞑想「呼吸瞑想」「視覚化瞑想」「チャンティング瞑想」のやり方を紹介していますが、ここで全部書くと長くなるのでやめておきます。
瞑想の一番の基本となる呼吸瞑想のやり方を簡単に書いておきます。
- 楽な姿勢な姿勢、座ってでも横になってもいいので落ち着ける姿勢でリラックスします。
- 目を閉じる。
- 4カウント数えながら、鼻から息を吸う。
- 4カウント息を止める。
- 4カウント数えながら、口から息を吐く。
- 3~4を自分の好きなだけ繰り返す。
手順をまあまあ省略していますが、呼吸瞑想はまあこんな感じ。4カウントは頭の中で、なるべくゆっくり数えましょう。慣れてきたら、息を吐く時間を延ばしていけると、よりいいです。
本書ではもっと詳しく瞑想のやり方について書かれています!
興味が沸いたら是非!
また、瞑想中は余計な思考をせず、呼吸に意識を向けておくのが理想的なのですが、どうしてもいろいろ考えてしまいます。
「こんなに雑念が浮かんでたら、瞑想失敗なんじゃないか?」
と不安に思う人もいるかもしれません。
著者はこう言っています。
きみが望む場所へたどりつけるように、瞑想は、見たくないものをきみに見せるだろう。
瞑想をしていると、瞑想を邪魔する思考が出てくる。でもそれは、自分が前に進むために必要なことだ、と言っています。
雑念が出てきても、雑念に引っ張られないようにすることで、心穏やかになれるんですね。
3.本当の自分を見つけたい人
「自分探しの旅」なんて言葉があるぐらい、人は自分を見つけたいものです。
旅もいいですが、本書もおすすめです!
最初のパート「手放す」では、自分の価値観を見つけるための手がかりが多く書かれています。
自分の生活の中で、何に一番お金を使っているのか、何を重要だと感じているのか、重要なことに時間をどれだけ使っているのか。
これらのことをいくつか分類して、演習形式で実際に自分で考えるメソッドがあるので、やってみると面白いです。
「重要だと思っていることに、あんまり時間を使ってないなぁ」
「無駄な情報を仕入れすぎているなぁ」
とか、普段意識していない自分の行動の無駄な部分がわかり、自分の生活を意識するようになります。
ほかにも、衝撃的だったのは
「アイデンティティーは他人から作られている」
ということ。
自分というのは、他人から影響を受け、他人からの期待に対応して役割を演じているものにすぎないと言っています。
人から「こうあるべきだ」と言われたら、そう振る舞う。ドラマの主人公が人間の理想像のように描かれていたら、それに近づこうとする。
言われてみるとたしかにそうかもしれません。著者は、他人からの評価を気にしすぎることを注意しています。
僕らは、他人にそう思われていると思っている自分の姿に忠実であろうとするあまり、自分の価値観さえも犠牲にしてしまう。
他人から影響を受けるのはしかたないとしても、どう影響しているかを注意しておけば、自分の芯はブレずにすみます。
自分とって本当に大切なことを犠牲にしないために、自分の価値観を理解することが大切なんですね。
閃きを得る
いい本でした。
今まで縁のなかった僧侶の考え方や生活を知ることができたのがよかったです。
「自分の欲を制限して幸せなんだろうか?なんで自ら進んで不便な生活をするのだろうか?」
とか低次元の疑問がありましたが、今ならなんとなくわかるような気がします。自分の心が穏やかで、他人に奉仕して生きるのは、幸せなのだろうと思います。偉大な人たちですね。
まだ私はその精神にはなれませんが、すこしづつ実践していけたらと思います。
やっぱり僧侶といえば瞑想をしている姿が浮かんできます。
瞑想をしている間は、心が無になるらしいので、なるべく人間味を抑えて描いてみよう。本書の表紙の色は青なので、背景を青であわせてみよう。なんとなく僧侶の着ている僧衣をイメージしてデザインしてみよう。
ということで描きました。
どーん。
最後まで読んでいただきありがとうございます!
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